長らく乗っていたバスから降りると、 ゆるやかな風といい匂いに包まれた。 小さな花々や乾いた土や短い草、澄んだ空気。 光は強く肌に届くものの、風は透明感があって心地よい。 一緒に降りた友達が感動して涙ぐむ。 内蒙古自治区へ向かう途中の草原だったと思うけど |
草原は広い。 地平線に想いをはせる。 空を見上げる。 ちゃんと写真もとる。 座り込んでみんなで心理テストをする。 時としてトイレにも。 |
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初めて馬に乗る。 乗ったが一歩も動いてくれない。 私、馬からもナメられるタイプ。。 みんなから遅れをとってしまうので 途端に、まさかの全力疾走! |
乗馬中、雨が降ってきた。 「これは日本語では"あめ"というんだよ」とおじさんに教えようとしたけどダメで 意味不明な言葉を言い合って終わった。 言葉も通じないおっさんと 揺れと速さが相まって、何がなんだか |
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草原の気温差は激しい。 昼間はTシャツ一枚。夜はありったけの服を着込む。 TシャツにTシャツを、その上にトレーナーやウィンドブレーカー、さらに厚手のジャンパー。 草原のこどもたちは元気にあそぶあそぶ。 |
夜が来たら ありったけの防寒をして草原に寝転び 星を見上げる。 そのまま眠ってしまったら間違いなく凍死する。寒い。 まあるい夜空には、貼り付けたようなたくさんの星々が 鼻を真っ赤にして、冷える足をもじもじさせながら |
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あたたかいゲルの中では 馬頭琴のライブや 女の子のひそひそ話や いい雰囲気になっちゃった男女が お酒を飲んだりしていた。 広い広い草原の中の小さなゲルで行われることは そんな人間のちっぽけさは、それでもあったかくて |
そんでもって、ちゃんとに朝はくる。 そして草原には風が吹く。 呼吸がとけて、全部とつながってゆく。 |
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