もみちゃんと私で内蒙古の町をぶらつく。
観光名所よりも普通の町。大通りよりも細い裏道。

そんな風に歩いていたら、「染色」という看板を見つけた。

当時もみちゃんは大学で染色の勉強をしていたから
思わず私達はその看板を掲げている家に入ってしまった。

路地へ







といっても、住民しか通らないような道にある、普通の民家。
ご主人と奥さんは、突然来宅した日本人にかなり驚いていた。

想像してみる。自分の家にいきなり外国人が来たら。。
そりゃ驚くなあ。かなり非常識だったと思う。

西瓜とこども







染色屋さん? 勢いで押しかけたのはいいが、中国語が話せない私たち。
当然日本語も英語も話さないご夫妻。

あせりながらもメモを取り出して筆談を試みた。
「我学染色」とかなんとか書いて。
(あっているかどうかは、今でもわからない。)

その後もみちゃんが頑張ってくれたところによると、
どうやら染色ではなく洗濯を生業としているお宅らしかった。







そんな最高にアツくて迷惑な私たち。
寝室らしき部屋に案内される。
大きいベッドが一つ、どすんと置いてあり
そこに座るよう言われた。

風通しの良い石造りの、質素だけれどかわいらしい部屋。
よく乾いていて桃色。そんな感じのおだやかな
ほの明るい空気が流れていた。

夫妻は、キュウリとお水を出してくれた。
生のキュウリを。丸々一本。

「生水はのむな」と厳重注意を受けていた私たち。
正直、キュウリも不安だった。
でも、勿論両方とも頂いた。

キュウリも水も冷えてなかったけど、味もついてなかったけど、
イイ味がした気がする。

たらい






おじいちゃん!

そこに、突然おじいちゃんがっ。

すごいインパクトだー。







おじいちゃんは、私達にあまり驚いておらず、自然にそこにいた。

おじいちゃんとマゴ。






旅の途中に買ったビーズのブレスレットを、
赤ちゃんの足につけてあげた。

おじいちゃんはそれを私に返そうとしたが
私は「いいの。あげる。」と言った。
彼は満足そうに渋くうなずいてくれた。

うでわ






おじいちゃん。。 最初は「怖そう」と思ったけど、物静かで
優しさと大物感をにじませているおじいちゃんだった。

実は、ブレスレットはあげる予定ではなかった。
つい、ええカッコしいになってしまった。







おいとまするとき。
ご夫妻におじいちゃんに赤ちゃん、みんなで門から見送ってくれた。
静かな突撃お宅訪問だった。

あのブレスレットは今もあるだろか?
「そういえば、変な日本人がいきなり来たことあったよね〜」とか。

思い出話のネタにあがることがあったらいいなあ。

お見送り