車窓

上海→北京、北京→内蒙古(フフホト?)は汽車で移動。
初めての寝台車。2日くらい汽車につめこまれっぱなし。。

車両の片側は3段ベッドがある。
もう片側には手動で下ろすイスと小さなテーブル。
古い映画館やホールの椅子みたいなかんじ。

朝は五時くらいから、やかましい音楽が放送される。

少しでも駅に停車すると、ダッシュで物売りがやってくる。
あまり美味しくもない、かさかさのパンだったりするけど
窓越しのやり取りが結構楽しい。





 
石炭が燃料なので、いつの間にか頭・顔・服・耳の穴
鼻の穴・・炭まみれ。

最初はそれを嫌がるかわいらしさもあるけれど
水の出も悪いし、洗ってもまた汚れるし〜。。と
気にしなくなる。

何日も履いているジーンズのままで寝ることにも、慣れる。
どんどん逞しくなっていく自分。。

列車






朝の街角

通り過ぎる風景はあまり変わり映えしない。
なんてことのない小さな町だったり草原だったり。

でも、見飽きない。

仕事の手をとめてこちらを見ている人。
どこかに向かっている人。
洗濯物を干す人。
ぽんっ、と。突然ひまわり畑。

自分が触れ合うことのない人たちの生活のカケラ。

同じものは一つもないって「当たり前」のすごさ。

こうした"当たり前"を自分の目で確かめるのも旅の楽しさと思う。





列車の中で、みんなで恋愛の話に。
私はオミくんと意見が相違して、お互いイライラした。
今となっては恥ずかしい、自分。。

でも最後にはオミくんが「色々話せてよかったよ。」と
言ってくれた。オトナだなあ、と思った。

もちろん、そんな私とオミくんの間に恋は生まれなかった。

いま?






こもれび 夜。消灯時間を過ぎ、みんな眠っている様子。

平原は、月と星の明かりの下では穏やかな海みたい。
同じだけの暗さと明るさで車内は満たされる。 
東京のとは全く別物だ。。

カーブにさしかかる汽車の先頭部分がぼんやりと見えた。
線路が見えなくて、銀河鉄道みたい。
列車の旅はロマンチックにもなる。